それでは今回は生長の家が検閲を受け出版停止の憂き目にあった本はどのような本であったかを記入致します。

山口悌治先生のお言葉にあるようにGHQでも好意的な人もおり、そういう人が検閲で通してくれたものもある。尚、實に詳しく調べていたのは、実際は日本人の學者がその検閲担当となり調査していたことが窺い知れる。

 

山口悌治先生が

「生長の家」は占領後の焚書(検閲)に対して占領軍にどのような対策をしたのであるかは『生長の家30年史』に詳しい。P155

 

「谷口先生の著書のリストをGHQに提出することになったが、危険と思われるものは、資料焼失として省いて提出したんですが、向こうは実に精密に調べてあって閉口しました。それでもGHQの中にも好意的な人もいて、旧版『生命の實相』の第十六巻(『日本国の世界的使命』が収録)は不問にして『慨世血の書』とかその他の単行本のみを発禁にして、全集の刊行は許可になったんです。そこで戦後版の全集は第十六巻を「戯曲篇」に変更されたんですよ。やはり占領期間中は低い姿勢でいく以外やむを得ない面が多分にあったんです。」

 

しかし、実際の没収された本と上記の文章には食い違いがあります。

その内容を『GHQに没収された本 総目録』占領研究会/編著 サワズ出版 (20059)から抜粋いたします

焚書本               頁数   発行日                          

覚書番号 仮延番

1.『生命の實相』第16巻(p207記載)P419  S16.10.25

40      3307   

2.『天皇絶対論とその影響』     P374  S16.3.23    33   4655

3.『人間死んでも死なぬ』      P372  S15.11.20       17   5836

4.『驀進日本の心と力』       P331  S13.11.22   2933   5927

5.『無門關の日本的解釈』      P390  S15.10.20   35    6679

    全て光明思想普及会出版です。

さて次に『GHQの没収を免れた本 図書目録』占領研究会/編著 サワズ出版 (20075)にはどのような雅春先生の御著書があるのであろうか。

                       発行日  延番     発行社

1.『百事如意』 P287                       S14.3.07  6142    光明思想普及会

2.『光明の思想』P429                      S10.9.21  1510     生命の藝術社

3.『光明叢書』(全11冊)                   S8.12.8   1511    光明思想普及会

4.『人間死んでも死なぬ』(続)P429         S14.4.16                光明思想普及会

5.月刊『いのち』 S13.1S13.8宇都宮希洋 他          1236    光明思想普及会

6.ユダヤ問題論集(1.2)(辻村楠造・国際政経学会出版)

  1.戦時對策の根本問題    P198            S13.2       6850        光明思想普及会

7. 2.日本を繞るユダヤ問題  P222            S13.2       6851        光明思想普及会

8.  『生命の實相』第五巻 P429       S10.5.25  3692      光明思想社(ママ)

以上の記載であるが6. 7ユダヤ問題論集は谷口雅春先生の御著書とは関係ありません。

上記で『生命の實相』が光明思想社であるかは不明です。

当時のお言葉では「発禁」となっています。これは検閲ではありません。明らかに焚書行為なのです。戦前戦中の刊行された書物を出版販売させない。谷口雅春先生の御著書を閉ざしてしまう行為なのです。このような歴史を通して現在の生長の家はあるのであります。