ここで著者の希望と記入していますが、明らかに内務省警保局の干渉があったことはわかります。それは、前記に示したように「淫詞邪教」ということであります。

それを予め察知して、其の対象となる項目を自ら切り取ったということであります。

なんと、悲しいことなんでしょうか、自らの著書を切り取るということは本当に断腸の想いだったということは想像できます。戦前の言論弾圧はこうした厳しさがあり、更に戦後のGHQによる検閲や言論統制はそれに増して厳しいものでした。

 

さて、話を戻します。『生命の實相』菊判装と『生命の實相』頭注版と比較してみます。社会運動の状況」より

菊判装6

頭注版

1718

禁書の理由(『運動の状況』の文章)から個人的に推察してみます。

81

349行~3511

生長の家は無薬無病の思想は医療妨害的布教言動

92

50

巽忠蔵氏の胃腸病の治癒は『社会運動の状況』昭和13年に記載あり。

宮崎県

光明思想普及会取締役   巽 忠蔵

112日夜宮崎市に於ける講演会(聴衆約150名)に於いて「勝たずば生きて還らじと」と云う軍歌があり今や多くの兵士が死んで来ますと云って出征して

居るが之は間違って居る「自分は『必勝生還』と言う事

が本当であると思う」と講演す。

133

P113

胃下垂の治療における方法

164

P158159

6年間の瘤が神想観にて治癒

279

18巻 P105

医療を尽くしても治らなかった小水が神想観で治癒

391

24P145

不治と言われる糖尿病も治る。

431

掲載なし

内容が変更のため、戦前黒布表紙版14巻から

文部省当局方面でも次第に教育に宗教を以て賦活しなければ本当の教育が出来ない。文部省に意見をのべたからだと思います。

 

 『生命の實相』菊判装第二巻

これも内務省の調査では知らされていない検閲です。

切取られいますので、二頁となります。

九巻のように添付されたメモのようなものもありませんので、やはり自主的に削除を行ったのではないかと思います。それはあまりに切り取られた頁が多いのです。但し、これはあくまで私の推測です。

 

 


本菊判装『生命の實相』第二巻

經典篇(一)聖經『甘露の法雨』講義

  第一章  神と佛と靈
  第二章  物質と實在
  第三章  智慧と無明と罪
  第四章  人間の實相及び假相

經典篇(二) 聖経『天使の言葉』講義

(一~一二)(12

生命篇  生命圓相の眞理

第一章   果して物質的治療は病気を征服

し得たか

第二章    生きる力の神秘

第三章    心の平和に到達する眞理

第四章    『生命』は愛と智慧とによって生く

第五章    思念の力

第六章    人間は『肉體』でない話

第七章    眞理は爾を自由ならしめん

第八章    祖國愛は神の道

第九章    愛の神による運命の修正

第十章    生命磁気を語る

第十一章  現代醫學を語る

第十二章  死線を超えた實話

第十三章 『無』の經濟と『無』の醫學

 

この中から

3740頁  聖經『甘露の法雨』講義

179186頁 聖經『天使の言葉』講義

194198頁 聖經『天使の言葉』講義

222232頁 生命圓相の眞理

361370頁 第十章 生命磁氣を語る


 

多量の頁が一度に切り取られています。

あまりにも、その頁数の多さに眩暈を起こしそうです。

 

 

「内交」の本

次にですが、戦前には出版された本を内務省に「内交」という制度があり、現在では国会図書館の納本制度と同じで、知的所有権を国会図書館において保存していただくということを「内交」ということばでよんでいました。

国会図書館から抜粋させていただきます。

 

明治81875)年に、納本事務を文部省から内務省へと移管する内容の太政官布告が発布されて以来、出版法が廃止される昭和24年(1949)までの間、出版された図書は内務省へ納入することとされていました。内務省交付本(内交本)とは、内務省へ納入された図書のうち、旧上野図書館*に交付されたものを言います。

旧上野図書館では内務省を通しての受入だったため、「納本」の語を用いず、「内務省交付」略して「内交」の字が用いられました。現在の当館蔵書にも「内交」の受入印の見えるものがあります。

 

次頁にその「内交」というハンコが押しているのが国会図書館にあります。『神を審判く』という立教以前の著作ですが、大正12721日の発行で内務省が押している日付が721日だとわかります。