こうしたのが大きな理由であるが当事の新興宗教の多くは弾圧を受けるのである。

下記の文章は今回の『谷口雅春先生著作年譜』の文章ですが

 

平成22年に内務省警保局「社会運動の状況」という資料を窺い知ることが出来ました。そこには宗教弾圧ともいうべきものもあり谷口雅春先生は「近況報告」でその旨を書かれている文面があります。昭和14年あたりから削除済という御著書が見つかります。そのタ-ゲットのような御著書が菊装版『生命の實相』であります。この本には何冊かには「削除済」という印鑑が押されています。その文章が

 

【『生命の實相』第二巻(昭和14625日発行)(菊装版)は内容中に医療妨害、

人心惑乱等 安寧を妨害するものありたる為、718日削除処分せられたり。(社会運動の

状況昭和14年度版 より抜粋)内務省警保局】

 

それでは「内務省警保局」というのはどのように検閲していたのか?

生長の家が東京に進出するあたりから「著作物」を検閲するようになったのですが、昭和10年頃には「皇道大本教」の二度目の弾圧を警保局から受けているのです。それは

 昭和10年(1935年)128日、早朝4時。

 綾部と亀岡の大本の神苑は武装した警官隊によって包囲されました。その数は合わせて500人以上もの大部隊です。

 

 腕に白布を巻き、白たすきを斜めにかけ、決死の覚悟で神苑内に突入した警官隊は、三代教主補・出口日出麿(37歳)を始め幹部信者を次々と拘束し、警察署に連れていきました。留置された人の数は綾部・亀岡合わせておよそ300人にものぼります。

また”ひとのみち教団”(現PL教団)も同様であります。

 

昭和11年、特高警察に目をつけられ、不敬罪の名目で開祖とその息子・御木徳近(みき とくちか)は逮捕・投獄される。昭和12年には解散命令がだされ、御木徳一は不幸にも獄中で病死する。

ともに「神道系」宗教であります。

勿論、「天理教」「金光教」もしかりであります。警保局より目を付けられていたのであります。

それでは「生長の家」においてどのような事例があるかというと

 

昭和17116日別府市松屋旅館における座談会の席上誌友藤川スミ(50)は体験談発表に際し「私は子供に対してお前達は飛行機乗りになろうと、大臣になろうと一生懸命勉強して天皇陛下に尽くして下さい。お母さんは如何勉強して偉くなっても皇后陛下になれないのだからと言っている」云々の言辞を弄したるを以って当時臨席せる警察官において直にその発言中止せしめ引続き本名を調べたる処、不用意の失言と判明せる為、大分県警察当局において厳戒に止めたり。

資料としては内務省警保局『社会運動の状況』昭和11年~17年に「生長の家」をいかに監視したかの文章が残っています。

 

講習会や講演会や誌友会など様々な監視があったことが記載されています。

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※神示のなかで出版物の検閲の厳しかった戦前に於いては、当時少部数の雑誌に発表されたときに、時の内務省警保局の検閲課から注意があり、若し書籍として発行せられるならば直ちに発禁が明らかであったために、そのまま『生命の實相大聖典』編纂の時にも『聖光録』編纂のときにも神示の全部を収録したいと思いながら、それを差し控えなければならなかったので、その儘伏せられていたものである。(『秘められた神示』はしがきより)

 

それは雅春先生の戦前の書物に"削除済み"という判が押されている本があります。これは内務省という印刷がされているが、「特別高等警察」(特高警察)も内務省の管轄である。治安維持法の実行部隊も内務省である。だから常に印刷出版には"内務省の検閲"があったのである。

そのため事前にそうした検閲にひかからない書物として出されていたのです。

 

ちょうど『秘められたる神示』などはまさにそうである。「豪華版『生命の實相』」などには検閲対象にされる言葉をあえて掲載しなかった。それを出版してしまうと、全てが弾圧を受けるのである。そういうことを把握しないで「生長の家」は語れない。

 

また、戦後において『平和版 生命の實相』の刊行の予定がありました。昭和21年『生長の家』誌12月号の5頁に掲載された「平和版『生命の實相』自費出版会員募集」という記事の中で、《唯今最も入手困難で、最も渇望されている、読んで病いが治り、運命が好転する無数の体験例ある(中略)生長の家聖典「生命の實相」全二十巻を、戦時のみに適せる心構の部分を省き、他は悉く完備せる厳密なる著者自身校訂の永遠定本の聖典を実費にて配本せんとする会です。》

 

『生長の家』誌 昭和22年3月号に「『平和版生命の實相』の自費出版計画も延期の止むなきに至りました」(『明窓浄机 戦後篇』31頁所収)と書かれているように、この平和版『生命の實相』の発刊は実現しませんでした。

 

戦前における「生長の家」の著書で禁書となったのが国会図書館の調査では下記の著作がその標的となりました。

  1.  百事如意

  2.  生命の實相 第二巻 黒布表紙版

  3.  生命の實相 信の巻 

  4.  生命の實相 第六巻 菊判

     

    但し、私が調べた結果も発表させていただきます。

    上記の四著作から更に、

  5. 『生命の實相』菊判装第二巻

  6. 『生命の實相』菊判装第九巻

    が発禁の著作であります。

     

    ただ禁書といえども、古書をお持ちの人はわかると思いますが、検閲の済んだ本は削除済というスタンプが押され、その頁を削除している。

    その本自体を焚書にするような事はしなかったのは禁案番号なしとしている戦前の禁書であります。生長の家の御本は多くはそうした被害を免れているのですが、やはり厳しいものがあります。

    下図は削除済のスタンプを押した『生命の實相』菊版装第六巻と第二巻

     

     

     百事如意

    上記に記入した『百事如意』ですが、『百時如意』と記されているだけで、どの書物か判断は難しい部分があるのですが、判の大きさが記載されているのと発行禁止の年月日が記載されているので、

    昭和11421日発行の『百事如意』であることがわかります。

     

    それではこの著書のどこが発禁処分となっているのかを探ってみます。

     偶然にも警保局のハンコは押されてはいないのですが、二冊所有の片方には「無限供給の神示」が無残にも切り取られているのです。

     

    「無限供給の神示」昭和755日神示

    ただ、その当時に既に発行されていて「無限供給の神示」が記載された『生命の實相』にはその難を逃れたものも多くあります。

    P1180303

    昭和11421日発行の『百事如意』

    P1180296     P1180297

    上図は「無限供給の神示」が記載  上図は目次に記載されているが鋏で切り取られている

     

    昭和15220日発行の『百事如意』であるがこれには「無限供給の神示が

    記載されていたのだが、下図のように剥ぎ取られています。

    (印刷した後に気がついて剥がしたか、その部分を省いて印刷したのでは

    ないかと思います)