著者谷口雅春曰く

私は毎日遠隔の地から病氣を治して欲しいと云ふ手紙を無數に頂くが、私は未だ嘗て何人の病氣をも治したことは無い。こんな誤解を招くのは私の本を讀んだ人に、唯各人の内部の自然療能が活撥に働いて、諸病を不思議にも癒すからである。

 

今後もこれからも自然療能以外のものが人間を癒さないことに變わりない。唯各人は自然療能を發現せしめる方法を知らぬから醫者にかかっても治らぬのだ。私はこの書によって自然療能を發現せしめる方法を簡單に教へるのだ。

 

自然療能は肉體の内に働くだけではなく世界にも働く、運命にも働く。どんなに大掃除の塵を空中に出しても直ぐ澄み返る大氣の力を見よ。この力を捉へよ。貴下の運命は直に癒されるのだらう。悲しみに泣き濡れた人々も光明を見るであらう此の思想が生れてから世界に悲しみはなくなったのだ。