けもの道と自然

先日、近畿日本鉄道(近鉄)が鹿による電車と鹿との衝突を防ぐ手段として、獣に嫌な音を発信させるシステムで線路内に入る鹿を未然に防ぐことを発表した。

 

鹿でもそうですがケモノというのはけもの道があります。だから踏切を渡る位置というのがわかります。そこに踏切(音波を発信させるだけの通路)を作り、電車が来る前に鹿にとり嫌な音を発信させ、未然に鹿との衝突を防ぐのに成功したというものです。

 

私のように山を登り、いろいろな道を歩いたりすると、けもの道というのがわかる場合があるのです。それは糞や臭いと足跡と糞虫などがケモノ道を知る要因です。

 

鹿やイノシシなどは糞をする場合に石の上などにすることがあります。それはマ-キングと同じことです。樹木に時折、強烈なケモノの臭いがする場合がありますが、マ-キングした臭いです。数時間前にケモノが通ったなとかを察知するわけなんです。

 

また、そうした通り道はどうしても植物が生えない場合にそうした場所であると考えてもいい場合がある。また人が通る道とケモノと重なる道もあり、足跡や動物などの動きなども考えて散策するとおもしろい。下草が食われ、樹木が折られたりする所など様々あります。

獣などもそうですが、山を登る場合は出来る限り最短の道を通ります。その最短道に鹿の糞や猪の糞などや動物が擦りつけた樹木に獣の毛が付いている場合がある。

そうしたことも、自然ということを意識する上で大切なことです。

 

以前に書いたことですが、戦前と違って、木を伐採することが少なくなっています、その為に雑草が生えて困る場合があるのですが、そういう箇所に鹿等の生息があればそうした雑草も反対に無くなる。また、環境的には狩猟などを行う人が少なくなり、鹿や猪や猿などの田植えや野菜栽培や果実の被害は馬鹿にならない。ここ数年で近畿圏内では作物の動物被害を無くすため、電源柵を設置したりしています。その設置率は大変高いですが、農産物を作付するうえで余計な金がかかります。

 

野生ザルの増加

 

地域によっては野生ザルが増加して困っている所もあります。人に被害がある所もあり、しかも出産率が低いといわれている猿でも増加の一途であり、農地被害は甚大である。

 

鹿の増大

昨年、奈良県十津川村の釈迦ヶ岳に行く道中で鹿に60頭に囲まれた、実際見える範囲で数えたので、周囲には100頭近くいたのではないかと想像できます。見える範囲が山の凹凸で70mが限界です、それから換算すると鹿がいかに多いかがわかります。

 

猪の増大

猪は繁殖率が高く、近畿でいえば六甲山界隈に多数見かけます。夜など六甲山界隈を歩いていると、何匹も見かけます。

また、昼間でも時折見かけることがあります。六甲でハイキングすると、猪に噛まれたという被害の報告があります。

 

こうして考えると人間がけもの道を占拠し、野生動物が身近となっています。

 

だからこそ、山奥と里山と住宅地と峻別しながら生息地域を人間が決めていくことが大切なのです。八ヶ岳のような山林には本来人間が住むような場所ではないのです。

 

八ヶ岳であれば熊の出没もあります。普通、そういう所に家を建てたりするべきではないし、生物保存を考えると一番ダメな考えであります。

 

ここの題材である、けもの道と自然というのはけものの通る道には人間が入ってはいけない所であります。それは動物が知っていることであるのです。

それを阻害するのは人間のわがままに過ぎない。