市川守さんからコメントをいただいた、ありがとうございます。
【合掌ありがとうございます。またご教示いただきたい事があります。
黒表紙『生命の實相』昭和十年一月二十五日発行の『はしがき』四頁に
「・・・私は諸君に代わってインスピレートされて発表」とありますが、昭和37年5月5日発行の『生命の實相 頭注版』では初版のまえ書き7頁で「私は諸君に代ってインスパイアされて」ととその表現が変わっております。霊的な内面のものから、外部に向かって発信、鼓吹するような大きな表現変化と思われますが、これは雅春先生のご意志で変更されたものでしょうか。または編集でこのようになったのでしょうか。と言いますのは、黒表紙の『生命の實相』からみますと、頭注版の『生命の實相』はひらがなが多く入っているように見受けられ、余程細心の注意を払って拝読しませんと、うっかりと読み飛ばして(失礼しました)しまう事があるように思えるのですが、これも編集上の事なのでしょうか。発行元ではないので、そのご意図は推し量るしかないと思いますが、ご感想だけでもご教示いただけましたら、幸甚であります。ご多用中大変申し訳ございません。どうぞよろしくお願い申しあげます。感謝 再拝】
さて、今回の質問に肝腎な何巻かが記載されていない。こちらで調べろというのかである。発行日で調べると第一巻と第六巻がある。それなら、第一巻であろうと思い、黑布表紙版『生命の實相』第一巻から調べた。
さて、最初の申し添えておかなければならないのは、言葉の変更というのは、『生命の實相』黑布表紙版などにおいて、各巻でされています。なかには、章立てを変更という憂き目にも会っています。『生命の實相』というのは、時代背景などに大きく揺らぐという、本当に厳しい事態を経験しています。
それでは、質問の内容ですが、黑布表紙版『生命の實相』第一巻 昭和10年1月25日発行「はしがき」に述べられた内容です。「はしがき」行を除いて、8行目「かくの如き生活の原理を私は諸君に代ってインスピレ-トされて發表するのである。」この文言は何度か再版された黑布表紙版『生命の實相』において変更はされていません。
その後、戦後『生命の實相』新修普及版1巻 昭和27年9月10日においても変更はしていません。同じ発行日の『生命の實相』新修特製版も変更しておりません。次に発行されるのが布製携帯版『生命の實相』です。一巻 9頁初版序文 昭和31年11月10日ですが、後ろから2行目ですが、変更されていません。この文章は最後に「昭和六年、本書の初版に書かれた序文であるのをそのまゝ記念すべく収錄したのであるが、----」と最初に記載されたそのまま収録されたと書かれています。
次に豪華版『生命の實相』ですが全二十巻の第一巻ですが、昭和35年6月15日において8頁後ろから2行目ですが、変更していません。
次に貴方様のお書きになられている頭注版『生命の實相』第一巻です。昭和37年5月5日です。確かにここで言葉が変更となっている。「かくのごとき生活の原理を私は諸君に代ってインスパイヤされて発表するのである。」「初版のまえ書き」として7頁後ろから4行目に記載されています。
これは、当時の編集部が「歴史的仮名遣い」から「現代仮名遣い」に変更しています。谷口雅春先生が編輯されたかどうかまで、知る由はありませんが、推測では編集担当者が変更して承認をえたのではないかと思います。
「現代仮名遣い」で谷口雅春先生が怒られたという話を聞いたのが其の由縁であります。
それは、頭注版『生命の實相』で「仮名遣い」の変更されたことについても、谷口雅春先生がその変更を推奨されるとは思えません。編集部が独断で変更したということも推測であるが、想像出来ます。推奨されなかったというのは「言霊」を勉強すれば理解出来ます。現代仮名遣いでは「言霊」解釋が出来ない箇所も出て来ます。
また、文章の最後に書かれています。「昭和六年、本書の初版に書かれた序文であるのをそのまゝ記念すべく収錄したのであるが、----」この文言が間違いであるとなります。
ただ戦前の黑布表紙版『生命の實相』から新修普及版『生命の實相』においても、微妙な言葉の違いなど本当に沢山あります。もし所有されているのがあれば是非比較して下さい。
戦前の検閲そして戦後のGHQの検閲、そして谷口雅宜氏の絶版処理と悲しい憂き目にあっております。沢山の人を救い、社會を幸福にし、家庭は天国浄土となし、その素晴らしい聖典をどうか救って下さい。
私事ですが、出来る限りお答えしたいのですが、現在『谷口雅春先生著作年譜一覧表』の作成が遅れており、有難いことなんですが、編集の方にも神経を注いで行きたい。
本当は仕事もしたいが、それを一旦、止めてどうしても「生長の家」のために残したい。
すいませんが、御協力をお願いいたします。
これを書くのに7種類の『生命の實相』を比較検討しながら、分かり易く回答できるようにしております。また、間違っているかの確認もしています。
参考文献
黑布表紙版『生命の實相』第一巻
新修普及版『生命の實相』第一巻
新修特製版『生命の實相』第一巻
布製携帯版『生命の實相』第一巻
豪華版『生命の實相』第一巻
頭注版『生命の實相』第一巻
愛蔵版『生命の實相』第一巻