古本屋にに通うことも多くあり、こうした戦中や戦前の本は見ていた。
そうしたなかに、古く多くの和歌が採用されているが、こうした解説書もついて『愛国百人一首』としてカルタとしても出版されていた。
今は生長の家ではこういう話は禁止されているが、以前は純粋に万葉集や古事記を学んでいた。
代表的な万葉集の歌人である柿本人麻呂を最初に掲載されている。
①大君は神にしませば
「天雲に近く光りて鳴る神の見れば恐(かしこ)し見ねば悲しも」〈万・一三六九〉
雷というのは飛鳥に雷丘というのがありますが、ここに宮都を建てられたのが小墾田宮です。
『日本霊異記』(上巻巻頭)と『日本書紀』に雷丘に関連する伝承が記されている。
雄略天皇が后と寝ている寝所へ、家臣の小子部栖軽(ちいさこべのすがる)が気付かずに入ってしまい、天皇に「雷神を捕らえてこい」と命じられる。栖軽は豊浦寺と飯岡の間にある丘に落ちていた雷神を連れ帰り天皇に献上するも、天皇は光り輝く雷神に恐れをなし「落ちていた所へかえしてこい」と命じる。この雷神が落ちていた所を雷岡(雷丘)という。
数年後、小子部栖軽が亡くなると雄略天皇は彼の忠義を讃え、この丘に「取雷栖軽之墓」(雷神を捕らえた栖軽の墓)と墓標を建てる。これに雷神が腹を立て墓標を踏み潰すが、その割れ目に足を取られ抜けなくなってしまう。天皇は雷神を逃がし「生之死之捕雷栖軽之墓」(生前も死後も雷神を捕らえた栖軽の墓)と墓標を建て直した。
ただそういう現在的な解釈ではわからない部分があります。やはり大和言葉というもので解釈しないとわからない部分があるのです。
雷というのは「かみなり」といいますが。これは万葉集の時代では「神が鳴る」という言葉が鳴り響いていたと解釈できるのです。昔から神が鳴らすのが雷なのです。
また「いなづま」ともよびますが、いなは「稲」として昔から訳されています。つまは「妻」なのです。
いなは秋の田植え時期に雷が轟いたのでそのように言っているという解釈ですが、「い」というのは「生命」が湧き出でる。そういう言葉の解釈でいいと思います。
「な」は鳴るとか成るとかで、生成化育していく言葉に思います。
天雲というのは
「天雲に近く光りて鳴る神の見れば恐(かしこ)し見ねば悲しも」〈万・一三六九〉
このよう鳴る神として
第三巻 : 天雲の向伏す国のますらをと言はれし人は(長歌)
天雲というのは「雨雲」ではなく神のおはします「神が鳴り響いている」地だと解釈できるのです。
そういうことで解釈しますと
天皇陛下は神にまします、この大和の国に鳴り響いているところでお住まいされているのです。
神そのものが天皇様であらせられる。
【概要】
柿本人麻呂より橘曙覧に及ぶ百人の歌人から和歌各一首、「愛国」を主題として選ばれた百人一首です。
本百首が最初に公表されたのは、対米開戦の翌年、昭和十七年(1942)十一月二十日、東京市内発行の各新聞紙上に於いてでした。日本文学報国会が情報局・大政翼賛会の後援を受け、毎日新聞社の協力のもと発起したものです。選定委員は佐佐木信綱・齋藤茂吉・太田瑞穗・尾上柴舟・窪田空穗・折口信夫・吉植庄亮・川田順・齋藤瀏・土屋文明・松村英一の十一名。百首の歌は、選定委員並びに日本文学報国会短歌部幹事の推薦歌、また毎日新聞社が全国から募集した推薦歌から厳選したとのことです。
昭和十八年三月には、この百首に改訂を加え詳しい解説を付した単行本『定本愛國百人一首解説』が毎日新聞社より発行されました。同年十一月には日本玩具統制協会より絵入カルタとしても刊行されています(作画は西澤笛畝)。
『定本愛國百人一首解説』の凡例に「愛國といへる語を廣義に解釋して、國土禮讚、人倫、季節などの歌をも加ふることとし、時代は、萬葉集より明治元年以前に物故せる人に限ることとせり」とあり、また緒論(窪田空穗執筆)には「和歌を通しての指導精神を示さうとして、古來の愛國歌を選定した」云々とその意図を説明しています。
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【例言】
●昭和十八年十月一日発行の『定本愛國百人一首解説』重版を底本として作成したテキストです。
●仮名遣・用字など、できる限り底本のままを再現しようと努めましたが、JIS第二水準までに含まれない漢字は、通用字または平仮名で以て代用している場合があります。また、底本の歌の本文は総ルビですが、本テキストでは一部の漢字にのみルビを振っています(おそらくInternet Explorer5.0以上でないとルビはルビとして表示されないでしょう)。
●歌の頭に半角アラビア数字によって通し番号を付しました。
定本愛國百人一首
1
2 大宮の内まで
3 やすみししわが
4
5 をのこやも
6 ますらをの
7 あしひきの山にも野にもみ
8 旅人の
9 わが
10 み
11
12 あをによし奈良の
13 降る雪の
14
15
16
17 すめろぎの
18
19
20
21
22
23 ちはやぶる神の
24
25 海ならずたたへる水の底までも清き心は月ぞ照らさむ
26 山のごと坂田の
27 もろこしも
28 君が代はつきじとぞ思ふ
29 君が代は松の
30 君が代にあへるは
31 み山木のその梢とも見えざりし
32
33 君が代は
34 昔たれかかる
35 山はさけ海はあせなむ世なりとも君にふた
36 曇りなきみどりの空を
37 末の世の末の末まで我が國はよろづの國にすぐれたる國
38 西の海よせくる波も心せよ神の守れるやまと島根ぞ
39
40 命をばかろきになして
41 限なき
42 思ひかね入りにし山を立ち出でて迷ふうき世もただ君の爲
43 君をいのる道にいそげば
44 ものゝふの
45 かへらじとかねて思へば
46
47 いのちより名こそ惜しけれ
48 あふぎ來てもろこし人も住みつくやげに日の本の光なるらむ
49 あぢきなやもろこしまでもおくれじと思ひしことは昔なりけり
50 富士の
51 行く川の清き流れにおのづから心の水もかよひてぞすむ
52 ふみわけよ
53
54 もののふの
55 すめ
56
57 千代ふりし
58 我を我としろしめすかやすべらぎの玉のみ
59 あし原やこの國ぶりの言の葉に榮ゆる
60 しきしまのやまと心を人とはば朝日ににほふ山ざくら
61 初春の
62
63
64
65 かけまくもあやに
66
67
68
69
70 かきくらすあめりか
71 わが國はいともたふとし
72 君がため花と散りにしますらをに見せばやと思ふ
73
74
75
76 君が代を思ふ心のひとすぢに
77 身はたとひ
78 岩が根も碎かざらめや
79 鹿島なるふつの
80
81
82
83
84 しづたまき
85 君がため命死にきと世の人に語り継ぎてよ峰の松風
86
87 曇りなき月を見るにも思ふかな明日はかばねの上に照るやと
88 君が代はいはほと共に動かねば碎けてかへれ沖つしら波
89 ますらをが思ひこめにし一筋は
90 みちのくのそとなる
91
92
93
94
95 片敷きて
96
97
98
99
100 春にあけてまづみる